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パイクスピークに阻まれたビクトリーの挑戦…決勝レースは転倒の影響で痛恨のリタイア

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少々間が空いてしまいましたが、最終結果まできっちりご紹介を。

ビクトリーとローランド・サンズデサインによる異色コラボ『Project 156』は、
6月28日に開催されたパイクスピークの決勝レースで転倒した影響で電装品にトラブルが発生、
フィニッシュラインのわずか3kmほどの地点で痛恨のリタイアを喫しました。



The Victory Project 156’s Pike’s Peak Effort DNF | Rideapart

Project 156 was on an aggressive pace for a podium finish, but crashes in the second section and DNF’s at 93rd annual Pikes Peak International Hill Climb. | Motor Sports Newswire






米国を代表するバイク誌『サイクルワールド』のロードテスター兼エディターのドン・キャネットは、
昨年のパイクスピークでもムルティストラーダで二輪部門3位入賞を果たしている実力者。

今年は米国2位のバイクメーカーと米国を代表するカスタムビルダーの協力を得て、
オールアメリカンの必勝態勢を敷いての参戦でした。

プラクティスセッションでの転倒もありましたが、
予選ではエキシビションクラスのトップ、二輪部門でも総合4位と好位置につけていました。



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決勝レースの序盤、キャネットはセクター1で1分51秒423を記録して波に乗ります。
これは二輪部門で優勝したジェフリー・タイガートの1分49秒777に次ぐタイムでした。

続くセクター2、キャネットはブラウンブッシュと呼ばれるヘアピンコーナーで転倒してしまいます。
攻め過ぎが災いし、アウト側の白線に乗ってしまったのが原因でした。

しかし、キャネットはスリップダウン時にもスロットルから手を離すことなく、
23秒後にはマシンを立て直して再スタート、
続くセクター3では全体で5番目というハイペースで挽回を試みます。

しかし、転倒の影響は現代のバイクでは生命線ともいえる電子機器に及んでおり、
マシンはフィニッシュラインのわずか2マイル(3.2km)手前で無情にも動きを止めてしまいました。



ライダー、ドン・キャネット(Don Canet)の弁。

最速のスーパーバイクを向こうに回して最高のスタートがきれたと思ったんだけど…プロジェクト156に賭けてきたチームのことを思うと失望も倍増だよ。レーサーは一から製作されたプロトタイプながら、数週間前の転倒からも復活して非常にいい状態だったんだ。攻め過ぎてアウト側の白線に乗ってしまった。転倒したときもハンドルバーから手を離さなかったし、うまくリカバリーできたと思ったんだけど、最後のセクターでバイクが止まってしまったんだ。これまで頑張ってくれたチームのみんなには感謝してるよ。



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ビクトリー・モーターサイクルのゼネラルマネージャーであるロッド・クロイスは、
同社のレース参戦における哲学にからめて以下のように発言しました。

ビクトリーチームは、パイクスピークへ勇敢に立ち向かったと感じている。数週間前のマン島TTレースでは表彰台を獲得できたから、ここでもいい結果が期待できると踏んでいたんだ。キャネットとチームが表彰台へ上がるためにどれほど努力してきたか分かっているし、今大会はできる限りの手厚いサポートをすると約束していたんだけどね。



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ポラリス・モーターサイクル(ビクトリーの親会社)の製品ディレクターであるゲイリー・グレイは、
プロジェクト156チームは来年もパイクスピークに戻ってくると断言しました。

我々は、プロトタイプエンジンでレースに挑むという最も困難なやり方で、結果を残せたと自負している。短期間で競争力のあるエンジンを開発できるだけの技術力があるということを内外に示したわけだ。残念ながら今大会では待ち望まれた結果を出すことは叶わなかったが、プロジェクト156はビクトリー社を象徴するふたつのことを体現した。すなわち、実践すること、そしてそれによって得られる歓びだね。
我々は転倒したバイクをピットに持ち帰り、まだエンジンに火が入ることを確認した。電装系に問題があってリタイアすることになったのは確認ずみさ。必ず問題を解明して、またプロジェクト156チームとしてパイクスピークに戻ってくるよ。



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パイクスピークに存在する156のターンから命名されたという大規模プロジェクトは、
残念ながらリタイアという結果に終わってしまいました。

しかし、全米を代表するポラリス社のバックアップにより、
彼らが抱えるブランドは威信を賭けて今後さらなるレース活動に打って出るつもりのようで、
ゆくゆくは世界選手権のようなメジャーレースでもその姿を見る機会が訪れるかもしれません。



ただ、今回のマシン作りには疑問が残る点もいくつかありました。

心臓部はポラリス社の保有ブランドであるインディアンのプロトタイプVツインですし、
足回りに至ってはドゥカティ899を丸ごと移植しており、
これにビクトリーのロゴバッジをつけただけのやり方には批判もありそうです。

とはいえ、マン島TTレースの活躍も含め、
今後の展開に期待を抱かせるには十分な成果をあげられたと判断してもいいでしょうし、
来年はさらにパワーアップしたプロジェクト156レーサーが登場し、
我々の度肝を抜いてくれることでしょう。

ポラリス社は二輪メーカーとしては発展途上ゆえ、今後を温かく見守りたいと見守りたいと思います。



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