あなたがMVアグスタファンならば、
贅を尽くしたスペシャルバージョンの数々がすぐに思い浮かべられるかもしれません。
鈍い光沢を放つ金色のパーツが印象的なセリエオロ、アイルトン・セナの偉業を称えるセナモデル、
故クラウディオ・カスティリオーニ社長の名を冠したF4CC、
あるいはイタリア空軍ゆかりのヴェルトロ、フレッチェ・トリコローリなどもありますね。
いささか旧聞ではありますが、今回はそうしたスペシャルバージョンのなかでも異色の存在といえる、
イタリアにおける法執行機関や警察組織を彩るモデルをいくつかご紹介します。
MV Agusta dona la F4 RR edizione Bicentenario ai Carabinieri | Motoblog
冒頭の1台は、イタリアの国家憲兵である『カラビニエリ(Carabinieri)』の創設200周年を記念したもの。
部隊の創設は1814年、サルデーニャ王国の国王、ヴィットリーリオ・エマヌエーレ1世によって行われ、
彼らが平時から携行していたカービン銃がカラビニエリの語源になっています。
カラビニエリ | Wikipedia
その役割は、対テロ、平和維持活動(PKO)、あるいは美術品の保護など多岐に渡り、
第一次・第二次大戦でも活躍し、数々の勲章を授与されたといいます。
その制服は黒を基調に、パンツには赤いサイドラインが入り、
箱型の鞄を下げた白いベルトを左肩からたすきがけにしています。
2014年のEICMAで展示されたという冒頭の1台もこのカラーリングを踏襲しています。
EICMAの展示車両を撮影した映像ではスペックシートが併設されてますが、
カラーリング以外は通常のF4RRと変わらないようですね。
車両はカラビニエリの200周年記念イベントに展示されたそうで、販売モデルではありませんが、
このまま限定販売されても違和感のない仕上がりです。
黒と白が使われている分、日本人が抱く警察車両のイメージに近いですね。
公道で見かけたらちょっとギョッとしてしまうかも?
そしてこちらは、いくつかのニュースサイトで話題になったツーリスモ・ヴェローチェ800の警察車両。
日本で白バイといえばその名のとおり白一色に塗装されているものですが、
こちらは淡い水色を含むイタリアントリコロールカラーで、なかなかオシャレに見えてしまいます。
ANCHE LA MV AGUSTA TURISMO VELOCE INDOSSA LA DIVISA DELLA POLIZIA DI STATO | MV Agusta
ツーリスモ・ヴェローチェ800は、
国家警察(Polizia di Stato)と呼ばれる部署に配備されているとのこと。
イタリアの警察 | Wikipedia
ツーリスモ・ヴェローチェ800は国家警察のバイク部隊、"ニッビオ(Nibbio)"の所属。
ニッビオは日本語で鳶(トビ)の意で、部隊章も翼を広げた鳥が描かれたものになっています。
イタリア国家警察では2014年に2台のリヴァーレ800を、
さらに2015年に2台のツーリスモ・ヴェローチェ800を導入、市街のパトロールなどに活躍しています。
MV Agusta Rivale 800 nell'arsenale della Polizia di Stato di Milano [Video] | Motoblog
彼らが着用している制服はダイネーゼのエアバッグシステム『D-Air』が内蔵されており、
車両とあわせてオール国産体制ですね。当たり前というばそうなんですけど。
ただ、イタ車を警察車両って信頼性の面で問題ないのかしらん(笑)。
ソース元の記事ではリヴァーレ800に特別な装備は見当たりませんが、
ツーリスモ・ヴェローチェ800は燃料タンク容量を20リットルから22リットルに拡大し、
300km以上の航続距離を達成。パニアケースには事故時の応急処置キットなどが収められているとか。
日本でも海外の白バイを再現したバイクに乗っているモノ好きな方がおられますが、
MVアグスタで挑戦される奇特な方はおられるでしょうか。
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